松本トマト農園松本トマト農園

トマトが終わったハウスで、いま何をしているか

夏は何してる? 株を片付けたあとのハウス

今年のトマトの出荷は、7月のはじめで終わりました。直売所に足を運んでくださったみなさん、ありがとうございました。

いま、ハウスの中はがらんとしています。でも、農園が休みに入ったわけではありません。夏のこの時期こそ、来年のトマトのための仕事が始まります

今シーズンのトマトは、7月上旬でおしまいでした

2月から7月まで。今年も半年ほど、収穫を続けてきました。

今年は例年より10日ほど早く苗を植えました。まだ外の気温が高い時期の定植だったので、害虫の被害を心配していたのですが、その影響は小さく抑えられました。おかげさまで、思っていたよりも採れた一年でした。

途中で畑が弱ってしまうこともなく、最後まで走りきれた。これが何よりありがたいことでした。

まず、ハウスをぜんぶ空にします

収穫が終わったら、最初にやるのは片付けです。

半年のあいだ実をつけてくれたトマトを、根から引き抜いていきます。その数、およそ6000本。3週間かけて、ハウスを空にします。

片付け中のハウス。通路に引き抜いたトマトの株が並ぶ
通路の真ん中に積まれているのが、引き抜いた株です

写真の真ん中、通路に長く伸びているのが、引き抜いた株です。5メートルを超えるまで伸びたものを、こうしてまとめていきます。

引き抜いたトマトの株を1本、地面にまっすぐ並べたところ
引き抜いた株を1本、まっすぐ並べたところ
1本の株の長さを人の背丈と比べたところ
人と並べると、1本の長さがこのくらいです

5メートル? そんなに伸びるの?

つる下ろしという作業で伸びた分を下げながら育てるので、高さはいつも同じくらいです。

株がなくなり、マルチをはがすと、最後には土だけが残ります。毎年のことですが、空になったハウスを見ると、ああ今年も終わったな、と思います。

ハウスの中は、40℃を超えます

この作業、実は一年でいちばん暑い仕事かもしれません。

ハウスの温度計。室温42.5℃の表示
片付けの最中、ハウスの中の温度計

7月8日、片付けの最中にハウスの中の温度計を見たら、42.5℃でした。外よりずっと暑い。休憩をこまめにとって、水をたっぷり飲んで、それでも汗が止まりません。

休憩に用意した冷えたスイカとバケツ

休憩で食べる冷えたスイカが、この時期のいちばんのごほうびです。

空にしたあとが、いちばん大事な仕事です

土だけになったハウスの畑
株もマルチもなくなり、土だけになった畑

株を出し終えたら、次は土の番です。

夏のあいだに「太陽熱土壌消毒」という作業をします。名前はものものしいですが、やっていることはシンプルで、夏の強い日ざしと熱を使って土をととのえる、というものです。

手順は、水と、太陽と、時間

まず、ハウス全体に水を打ちます。これがなかなか大変で、うちは井戸水を使っているので、一日に使える水に限りがあります。3日に分けて、合わせて5時間ほどかけて、畑を潤していきます。

井戸水? 水道じゃないんだ。

うちの畑は井戸水です。だから一日に使える量に限りがあるんです。

そこへ米ぬかと堆肥、土壌改良材をまいて、トラクターですき込みます。そしてもう一度、最初の倍以上の水を打ちます。

最後に、透明なビニールで畑ぜんぶを覆って、閉め切ります。

畑一面をビニールで覆ったハウスの中
畑ぜんぶを覆ったところ。あとは太陽にお任せです

あとは、太陽にお任せです。ハウスの中も土の中も温度が上がって、トマトにとって困る菌や虫、雑草の種が減っていきます。真夏という季節そのものを、道具として使う方法です。

うちはこれを、8月から10月の中旬まで続けます。2か月半のあいだ、畑にはビニールがかかったまま。農園も、この期間はお休みをいただいています。

2か月半も、何もしないの?

その間は、太陽に働いてもらいます。農園はお休みです。

病気が出にくい畑をつくるために

以前は、この時期に株を引き抜くと、根が線虫の被害でボコボコになっていました。

いまは、それがありません。ゼロと言っていいほど、ないのです

理由はひとつではありませんが、この夏の土づくりは、確実にそのうちのひとつだと思っています。出てしまった病気をあとから叩くのではなく、病気が出にくい状態から一年を始める。そのための、いちばん暑い時期の仕事です。

次にトマトをお届けするのは、来年の春です

ビニールをはがしたら、11月には次の苗を植えます。

そして年が明けて、2月ごろから、また収穫が始まります。直売所を開けるのは、桜の咲くころです。

次に会えるのは春だね。

桜の咲くころに、また直売所を開けます。